研究内容 / Research
-さまざまな流動現象を解明、そして学際的研究へ-
流体力学は、機械工学はもちろんのこと様々な分野で必要不可欠であり、今後ますます学際的領域で要求されると考えられます。 当研究室ではそのような流体力学の特徴を活かし、特にマイクロ・ナノスケール流体、混相流、バイオ流体をキーワードに、積極的に異分野融合的研究を展開しています。
微小血管内流れに関する研究
血管径が数十マイクロメートルの細動脈や毛細血管では,血管径と血管内を流れる赤血球や白血球の大きさが同程度になり,血管内流れは複雑となります.本研究室では,赤血球の特異的なレオロジー特性を考慮した混相流解析を行っています.また,人工赤血球と呼ばれるナノ粒子に着目し,微小血管内を対象とした人工赤血球/赤血球の分散相流動シミュレーションを行っています.最近では,レーザー治療による血管腫への人工赤血球投与効果に関する数値的研究も行っています.


毛細血管ネットワークモデルを用いた赤血球分配特性のin vitro実験


微小血管内における赤血球流動シミュレーション
精子運動特性に関する研究
鞭毛をもった生物,たとえば生殖細胞のひとつである精子が,卵管内粘液中でどのような運動をするのかを流体力学的観点から実験的・数値解析的に研究しています.研究の応用先として,マイクロ流体システムを用いた運動良好精子分離装置などがあげられます.これにより,生殖補助医療分野や畜産分野に対しての貢献が考えられます.


精子遊泳の観察(左:鞭毛解析 右:集団遊泳の様子)


精子集積機能を有するマイクロ流体チップ(左:集積の様子 右:シミュレーション結果)


体外受精用デバイス(左:精子スクリーニングチップ 右:3次元構造デバイス)
※これらの研究の一部は2023年度JKA補助事業の支援を受けて実施した事業です.詳しくはこちらをご覧ください.